2025-12-31
2025年の振り返りと2026年やりたいこと
2025年いろいろあった。振り返る。
大学生業
筑波大学を卒業した!2回の留年を経て、6年かけて勝ち取った卒業。最後の関門であった微分積分Aを、昨年末に実施した微分積分1人アドベントカレンダーの甲斐あってか突破することができた。
振り返ると、AC入試という学力不問のインチキ入試枠で滑り込み、根気強く勉強を教えてくれる友人とパソコン話でモチベーションを維持してくれる友人の両方に恵まれ、仕事と両立しやすいオンライン授業になり、とラッキーパンチみたいな卒業ではあるが、まさか僕がまともに大学を卒業できるとは思っていなかったのですごく嬉しい。
生成AIが今ほど発達していないギリギリのタイミングで卒業論文に取り組めたのもよかった。RustでポータブルなIncremental PEG Parserを実装するという、The卒業論文みたいな大したことない研究ではあったものの、土地勘の薄いシステムプログラミングを学習し、先行研究を調べ、新規性を捻り出して実装し、計測して人に伝える、というのを自力で回しておけたのは基礎体力に繋がったと思う。
また、大学生業のテーマとして、学業の他に青春を掲げていた。これも概ね達成できたように思う(青春に達成とかあるのか知らんけど)。サークルで目一杯遊んだ。卒業旅行も楽しかった。
卒業 w/ @__sosukesuzuki pic.twitter.com/SeAyWBV35o
— Yuku Kotani / Ubie (@yukukotani) March 25, 2025
仕事
今年も元気にUbieで働いていた。勤続7年目。僕にとっては変化の大きい1年だった。
まず、CTOをはじめた。去年まではVP of Technologyを名乗っていた。去年の振り返りには次のように書いている。
そういえば、「なんでCTOやVPoEじゃなくてVPoTなの?」って聞かれることがある。まあ細かい肩書きは何でもいいしやることは変わらないんだけど、なんとなく日和った。社内ではこんなことを書いた。まだまだ精進。
正直に言って、僕はUbieの中でも指折りにソフトウェア開発が得意な自負があるし、それを武器に戦ってきたと思っている。しかし、VPoTの仕事はその延長線上にはない。不足する能力を数えたらキリがないし、まだ真に経営の視座で仕事ができているとも言えず、それがCTOではなくVPoTというやや日和った名前に現れている。
足元では生成AIプロダクトが立ち上がり、事業がすごく順調に推移する一方で、より中長期の非連続成長に向かっていくためにプロダクト開発組織のパラダイムシフトが必要だった。そういう答えのない問題に取り組む中で、極端に言えば「オレを信じろ!」とスタンスを取って組織を動かすシーンが増えた。日和ったヤツがそんな意思決定をしても意味がない。数年かけてしっかりとコミットして選択を正解にしていく覚悟をみんなに示すと共に、自分自身に楔を打つべくCTOになった。
そんな最中に、Ubieでも大学でも同期だった @sosukesuzuki がBunに転職し、買収を経てAnthropicに入った。あんまり誰にも言ってなかったけど、これは僕にとってすごく大きなイベントだった。彼がサンフランシスコに遊びに行った時点でなんとなく察していて、帰国後の1on1で開口一番に「Bunにいくでしょ?」と聞いたことを覚えている。
圧倒的な技術力一本で世界の第一線に駆け上がるキャリアは、僕が職業エンジニアを始めた15歳の頃からの憧れそのものだった。CTOとして経営にコミットするということはその道を諦めることのように感じられてしまい、葛藤があった。
結局、コンピューターそのものへの狂気的な情熱という才能は僕にはなかったんだと思う。どこまでいっても自分はちょっと上手にできるだけだった。数年前から薄々気づいてはいたが、ようやく整理して受け止めることができた。
とは言ってもネガティブになっているわけではない。自分のやりたいことや戦い方に自覚的になれた。世界を動かす技術を作るには至らないが、技術を純粋に楽しみ、世界が落下する方向を見通すことには自信がある。今年は気張って大人プレイに寄せすぎていたが、幸い、2025年やっていた仕事は軌道に乗りつつある。来年はもっとピュアに無邪気に技術を楽しんで事業を牽引する方向に揺り戻していきたい。
他社のCxOから勉強させてもらう機会も増えた。特に @ryolu_, @simonlast とランチをご一緒したときは多くの学びと刺激があった。@hatahir0 さんをはじめに、機会をくださる方々に感謝しかない。来年もより多くの人と会っていきたいし、僕もさらにコミュニティに還元していきたい。
とにかく来年はUbieの優勝を決定づける年にする。そういうお時間である。
OSS
今年は28個のプルリクエストを投げた。前年比233%。LangChain.jsやopencode, deck, expoなど、仕事で使っているものを中心に困ったところに手を入れた。
自家製OSSもいくつか出せた。全体的にAI周りで欲しいものを作った感じ。
mcp-gemini-google-search
Gemini の Google Search Grounding を呼び出せるMCPサーバー。Claudeの検索が弱かったのでそこだけオプトインしたくて作った。
slack-message-to-md
SlackのメッセージをMarkdownに変換するライブラリ。Slack botとしてLLMアプリを動かす体験がめちゃくちゃよくて、リッチテキストを含むメッセージをサクッとLLMに投げられるフォーマットにするために作った。
fetch-notion-page
NotionページをMarkdownで読み込むライブラリ。公式のNotion MCPは強力な権限が必要だったりAPIとして使えなかったりして困ったので、既存のAPIをレートリミット考慮しつつ再帰的に読んでMarkdownを構築できるやつが欲しかった。
monoread
あらゆるURLをMarkdownとして読み込むCLIとMCPサーバー。だいたいのサイトは @mizchi/readability で読めるんだけど、認証が必要だったりCSRだったりするサイトは読めなくて、それをLLMに判断させると無駄が多いので、単一のインタフェースでなんでも読める君が欲しかった。
mcp-gcloud-adc-proxy
Google Cloud の Application Default Credentials を使って認証付きのリモートMCPサーバーに繋ぐプロキシツール。社内専用のMCPサーバーをCloud Runに建てて、手元からカジュアルに使いたくて作った。
ブログ・登壇
4記事を書いた。
- 生成AI時代に「生成AI以外」の技術戦略を考える
- Claude Codeの新しいプラグイン機能を先行体験する
- Prompt Cachingを完全に理解してLLMコストを爆裂に下げる
- 会社をコンテキストエンジニアリングする「コーポレートAIエンジニア」という新職種
5つ登壇した。
- AI Coding Meetup #1: AI Coding Agent Enablement
- TSKaigi 2025: AI Coding Agent Enablement in TypeScript
- Claude Code Meetup Japan #2: Scale out your Claude Code
- Offers.DeepDive: MCPとデザインシステムに立脚したデザインと実装の融合
- AI Ops Community Vol.1: 一億総業務改善を支える社内AIエージェント基盤の要諦
特に TSKaigi や Claude Code Meetup の発表は反響があった。やってみただけでもなく口だけでもなく、しっかりと手触り感のあるビジョンを示せたのではないかと思う。その後も時々で引用してもらうことがあり嬉しい。こういう発信を来年もやっていきたい。
東京
昨年の12月から東京にきて、1年が経った。とにかく食事が楽しい。特に印象に残っているのはこの辺り。

来年もぜひカジュアルに食べ飲みにお誘いください。
音楽
フジロックとRISING SUN ROCK FESTIVALに行った。フジロックは同僚やその友人と近くのリゾートホテルを取ってフル参戦した。前回の地獄の斜面キャンプから比べると最高だった。

ライブは、崎山蒼志、中村佳穂、Summer Eye、YENTOWN、Jeff Millsに行った。特にLIQUIDROOMのJeff Millsは圧巻だったなー。
それから、@sadnessOjisan, @Jxck, @yoshiko_pg とバンドを組んで、友達を呼んでLT付きライブしたのがめちゃくちゃ楽しかった。数年前にギターを始めてからずっと1人で遊んでたから、スタジオ練に入ってからうどん食べて帰るみたいなのがすごく良かった。
超大変だったけど来年もゆるくやりたい。
旅行
セブ、野沢温泉、万博、沖縄、伊豆、福岡に行った。万博最高!万博最高!
まとめ
来年も頑張るぞ!