微分積分1人アドベントカレンダーは、来たる2024年12月20日に行われる微分積分A(GA15321)の期末試験に合格すべく、筆者が毎日の勉強を記録するものである。
微分積分Aは学部1年生の必修科目であり、筆者は通算6回目の受験となる。本科目の修得を以て筆者の卒業が決まる状況であるため、今年こそは合格を目指す。
名前は聞いたことあるけどよくわからないカッコイイやつランキング1位、ε-δ論法。完全に理解していく。
まずはヨビノリを見て、なんとなく考え方がわかった。関数が連続であるとき、y軸のレンジがどれだけ狭かったとしても、x軸のレンジもクッソ狭くすれば収まるよね、的な感じか?なんか数直線で実数の連続性を示したことを思い出した。
https://www.youtube.com/watch?v=t3JPms8Y1l4
というわけで証明問題をいくつかやっていく。
関数 f(x)=x が x>0 で連続であることを示せ。
証明
任意の ϵ>0 に対して、δ>0 が存在して、0<∣x−a∣<δ ならば ∣f(x)−f(a)∣<ϵ が成り立つことを示す。
∣f(x)−f(a)∣=∣x−a∣=x+a∣x−a∣<x+aδ<aδ
よって δ=ϵa とすると、0<∣x−a∣<δ ならば ∣f(x)−f(a)∣<ϵ が成り立つ。
よって f(x)=x は x>0 で連続である。
感想
基本方針としては、∣f(x)−f(a)∣ をなんとか ϵ と比較できる形に持っていく。ϵ は x では表せないので、x はがんばって消していく。
ここでは、まず δ に置換できるよう有理化をする。そして x>0 であることを利用して x を消す。こういう不等式における変数の消し方は慣れてなくてむずかしい。
関数 f(x)=x1 が連続であることを示せ。
証明
任意の ϵ>0 に対して、δ>0 が存在して、0<∣x−a∣<δ ならば ∣f(x)−f(a)∣<ϵ が成り立つことを示す。
∣f(x)−f(a)∣=∣x1−a1∣=∣x∣∣a∣∣a−x∣<∣x∣∣a∣δ
ここで、 ∣x−a∣<2∣a∣ ととると、三角不等式を用いて
∣x∣≥∣a∣−∣x−a∣>∣a∣−2∣a∣=2∣a∣
より
∣f(x)−f(a)∣<∣x∣∣a∣δ<2∣a∣2δ
よって、 ϵ=min(2∣a∣,2∣a∣2δ) とすると、0<∣x−a∣<δ ならば ∣f(x)−f(a)∣<ϵ が成り立つ。
よって f(x)=x1 は連続である。
感想
基本方針は同じ。まずは前問と同様に δ で置換できる形に式変形する。ここでは単に通分しただけ。
その後が難しい。分母の ∣x∣ は変形では消せないので、∣x−a∣<2∣a∣ として、仮の ϵ っぽいのを置いてみる。すると三角不等式で導出した ∣x∣<2∣a∣ を用いて ∣x∣ を消した不等式にできる。
あとは仮の ϵ と最後に出た不等式の両方を満たすように ϵ をとればOK。
この三角不等式の使い方、普通の人はパッと思いつくのかな・・・
ε-δ論法はカロリーが重すぎるのでここまで。次は名前かっこいい繋がりでマクローリン展開をやりたい。