yuku.dev

2023-05-24

Ubieに入って5年目、未だ大学は卒業できていません

2019年5月、大学1年生だった頃に Ubie にインターンとして入った。2020年からはフルタイム正社員として働き、今月で5年目に突入したが、未だ大学は卒業できていない。つまり、留年している。

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全日制高校を卒業して現役で大学に入り、なんやかんやマジョリティのレールの上をギリギリ歩いてきたわけだが、ついに外れ始めたということになる。

留年したのは普通にバカだからってのが大きいんだけど、とはいえ学業の時間を大きく削っている。このエントリでは、レールを外れてでも Ubie をやる背景として、考えていることを雑多に書く。

ストックオプションで優勝する

僕は25歳で労働を辞めると公言している。

「やらなければいけないこと」が極端に苦手で、中高生時代から毎朝決まった時間に学校に行くとかが出来なかった。それと同様に、生きるために働かなければならない状況がストレスフルなので、まずはこれを脱却することだけを考えている。

Ubieでの仕事は日々チャレンジングで本当に楽しく、やらなければいけないから仕方なくやっているわけではない。しかしそれとは別の次元で、やはり被雇用が必要であることそのものがツラいのだ。

その点で、Ubie のストックオプションは労働引退を十分に期待できるだけ貰えていてアツい。さらに、入社時や昇給時に給与とSOの比率を選べる制度もあり、僕はSOに全振りしている。こういったリスクテイクがしやすいのは若さの特権だと思う。

これから60歳とかまで働くと考えると途方もない気持ちになってやる気が出ないが、25歳と期限を設定し、SOにベットして追い込むことで、今はUbieに本気で取り組めている。

SOにいい思い出がない人もいると思うけど、Ubieでは本当に全員がSOを信じていて、全員で優勝を追いかけているのも良い。僕は一人で走り続けられるタイプの人間じゃないので。

Ubieが落ち着いたら、次はバンドマンをやろうと思っている。そのうち本気で学業もやりたいなあ。

Ubieの最高なストックオプション制度については、プレスリリースを参照してほしい。

Ubie、全正社員を対象に退職後の権利保有・行使も可能な税制適格ストックオプション制度を導入

「ひずみ」が生まれない限り、挑戦し放題

Ubieではホラクラシー組織を採用している。ホラクラシーでは、目的達成のための理想状態と現状の差分である「ひずみ」を起点として、それを解消するためのアクションが生まれる。そして、他者に新たなひずみが生まれたり、明示的に他者に設定された権限領域(ドメイン)を侵したりしない限り、目的達成のために如何なる手段をとることができる。ここで生まれるアクションは例えば、組織構造の変更だったり、ロールへのアサインだったりする。

エンジニア的に言えば、行動がアローリストではなくブロックリスト的になっている感覚だろうか。この環境のおかげで、キャリア浅い若造でもさまざまなことにチャレンジできている。

  • 症状検索エンジン「ユビー」をMVPから数百万MAUにグロースさせるまで、一通りの企画開発
  • 楽しい技術的挑戦
    • Nuxt.js → Next.js リプレイス
    • Firebase Auth から内製認証基盤への無停止移行
    • FE ~ インフラまで一気通貫のサービス立ち上げ
    • などなど
  • 全社の技術選定やアーキテクトのリード
  • プロダクトオーナー業

スタートアップなら、ゆるふわにこれくらいの自由・裁量があるところは他にもあるだろう。Ubieも昔はそうだった。ただ、今はホラクラシーというプロトコルによって明示的に規定されていることで、より心理的安全性が高い状態で取り組めていると感じる。

もちろん挑戦的であればあるほどタフな仕事になる。だけど、早いタイミングで幅広くハードな取り組みができていることは、今後の人生を選択していく上で大きな財産になっていると思う。

さらに最近では、各人が得意領域で価値を出しつつ興味領域に能力を広げていけるような、組織のアウトカムと自由をどちらも最大化する仕組みについて議論が進んでいる。このように、ホラクラシーの枠組みに囚われすぎずに文字通り組織を創っていけるのも純粋に面白い。

Ubieのホラクラシー組織についての詳細は以下の記事を参照してほしい。

フラットな組織の負債と向き合ったUbie Discovery が、ホラクラシー組織を採用した理由

デザインから事業価値を最大化させるために 〜ホラクラシー組織での取り組み〜

やっぱりいいものを作りたい

ユビー起点で受診して病気を早期発見できた方からメッセージをいただくことがちらほらある。友人が知らずのうちにユビーを使っていることも日常的になってきた。本当に嬉しい。

自分はずっと技術が目的なタイプだと思ってきたが、こういった経験をしているうちに、気づけば技術が手段になってきていることに気がついた。料理人が包丁を愛でて研ぐように、僕もプログラミングが大好きで、もちろんこれからも探求し続けるだろう。でも、その道具をもって大きな問題を解決したいという気持ちが相対的に強まっている。

思い返せば、プログラミングの原体験も、運営していたマインクラフトサーバーに機能を実装して、ユーザーに喜ばれることだったように思う。インターネット越しでもこんなに脳汁が出るのに、身近な人が全員使って喜ぶくらいスケールしたらどうなっちゃうんだろうか。

今は本心からテクノロジーで人々を適切な医療に案内したいと思うし、そういうミッションを持てるのは幸せだと思う。

さらに副次的な効果として、作っているものが誰から見てもわかりやすく「いいもの」だと色々とラクになる。僕のキャリアはまあへんてこなわけで、IT業界とか全然関係ない人の理解を得るのが難しい。親戚とか。そんなとき、誰もが関係のある医療という領域で、まるで魔法のように振る舞うユビーを触らせると、だいたい応援してくれる。このおかげで余計なストレスをかなり避けられていると思う。

若さという錯覚資産

「若いのにXXをしている」というのは、すごいっちゃすごいんだけど、その実態以上に評価されることが多い。

そうやって若さを押し出したり年齢を評価軸に含めたりすることを微妙に思う人もいるだろう。僕もそういうのは気恥ずかしくなってしまうタイプだ。でもそれが価値を持つ現実がある以上、その錯覚資産を活用してアウトプットにレバレッジをかけることは正しいキャリア戦略だと思う。それが錯覚資産だと自己認知できてないとアレかもだけど。

この観点だと、Ubieはベストな選択ではない。大学生でフルタイム正社員というのはキャッチーではあるが、業務なので外に伝えられることは限られる。OSSや個人開発などに時間を使うほうが中身のあるアウトプットを継続しやすいだろうし、差別化もしやすい。

僕はUbieにいるメリットと天秤に乗せた上で妥協しているけど、それがキャリアとして正解なのかはまだわからない。数年後に振り返りたい。

学業は置いといて、青春をやる

フルタイムの仕事と大学の両立について聞かれることがあるが、留年という結果から分かる通り、両立できていない。これは普通にバカすぎるというのもあるんだけど、戦略的に学業の優先度を下げているのもある。

そもそも大学生の営みは、雑に二分すると学業と青春になる。学業はいつ取り組んでも大きく変わらず価値があるのに対して、サークル活動等の青春は同年代の友達とやることに意味があり、後から取り返しにくいと考えている。

青春は今後の人生をより豊かにしてくれると信じているし、同僚がよくリファラル採用で大学の繋がりを活かしているのを見ていて、そういう意味でも大事なのかなと思う。

せっかく運良くこの年齢で大学に入れたのだから、まずは青春を回収するべきと考え、今は学業を劣後させているということだ。学業を軽視しているわけではなく、遠くない未来に腰を据えて取り組みたいと考えていつつも、今は最低限の卒業を目指す程度で頑張っている。

最低限といっても昼間に授業やゼミが入るわけだけど、Ubie はコアタイムなしの裁量労働制なので中抜けしやすく、無理なく両立できている。MTGが入りそうな時間帯をブロックしているので同僚には迷惑かけちゃってるだろうけど(ゴメン)、まあ割とみんなカジュアルに中抜けするので心理的には安全だ。

昼に授業があって夜にサークルのイベントがあったりすると、数時間しか働けない日もある。それも他の日にたくさん働いてカバーできるのでいい感じ。

結果として、生涯付き合っていきたいと思える友達もできて、人生における大きな資産を得ることができたと思う。

やりたいこと全部やる

つまりは人生でやりたいこと全部やるってこと。とはいえ次のライフステージを意識する年齢にもなってきたので、ちょっとは計画性を持って戦略的にやっていきたい。そのためにまずはUbieを頑張る!というポエムでした